みなさんこんにちは!ナイルの平田です!
今回は工賃についてご紹介します。
自動車整備は、簡単な作業では、オイル交換や電球交換。
専門的な作業では、ウォーターポンプやタイミングベルト交換、DSG関係など、色々な作業があります。
ディーラーの見積書の金額は妥当?
自動車整備士が公私共によくされる質問のひとつに
「見積書の金額が妥当なのかどうか」というものがあります。
車検や修理など、自動車のメンテナンスには大きなお金がかかるものですが、
それぞれの費用の相場や仕組みを把握している方はほとんどいません。
そのため、ディーラーやショップで提示された見積もり金額に不安になってしまうのは当然の気持ちだと思います。
プロの整備士でも、専門外の車の整備費用はわからない
元VWディーラーの整備士でVW Audi専門店である私は、VWディーラーやVWショップの見積もりについての妥当性はわかります。
でも、国産車の見積もりについては、実は、わからない部分が少なからずあります。
そして逆に、日常的にVWを取り扱っていないショップからしたら、VW車の修理やメンテナンス費用の見積書の妥当性はわからないと思います。
同じ自動車の整備なのに、何で?と思いますよね。
その理由は、工賃の決め方にあります。
今回は、このあたりの仕組みをご紹介していきます。
工賃の仕組みがわかって、ある程度見積書の内容が読めるようになると、「費用をぼったくられているんじゃないか?」という不安が減って、安心してメンテナンスを任せられますよね。
VWの工賃・整備費用ってどうやって決めてるの?
自動車の整備や修理の工賃を、どうやって決めていると思いますか?
整備士の気分やサジ加減、相手次第で決めているのでは、お客さんが困りますね。
VW整備の工賃は基準がある(レバレート)
VWの工賃には、基準(レバレート)があります。
レバレートとは?
レバレートとは、修理やメンテナンスのために自動車整備士1人が作業した場合の、1時間あたりの作業単価のことです。
この、レバレートを基準にして、整備にかかる作業時間で工賃を決めます。
レバレートが10,000円のお店の場合
整備士1人が、30分かかる作業をしたら、工賃は5,000円ということです。
VWディーラーのレバレートは高い?
このレバレートは、お店ごとに違います。
国産車ディーラーのレバレートが7,000円〜9,000円ほどと言われています。
それに対して、VWディーラーは10,000円〜15,000円ほどです。
国産車のディーラーさんに比べて、VWなどの輸入車のディーラーさんのほうが、レバレートは高いです。
VW専門店ナイルプラスのレバレート
ナイルのVW車整備・修理のレバレートは、8,000円〜10,000円ほどです。
ナイルで車両を購入してくださった方や、車検を依頼して下さっている方はレバレートを低くしています。
これはなぜかと言うと、自分たちで整備・点検をしている車両は、何かあった時の対応が容易だからです。
VW整備の作業ごとの工賃の決め方
時間単価(レバレート)についてわかったら、次は工数についてご説明します。
工数とは?
工数とは、ある作業を完了させるために必要な時間のことです。
1時間を100タイムとして数えます。
レバレートが10,000円で工数が30分(50タイム)の作業なら
工賃は5,000円になります。
オペレーションを使って工数を試算する
それぞれの作業の工数が何タイムなのかを決めるために、ナイルでは、オペレーションを使って工数を試算しています。
VWパサートの修理費用の見積り計算方法
実際に、ナイルスタッフの愛車のパサートを使って、修理費用の見積もりを出してみましょう。
まずはオペレーションに車両の情報を入力します。
試算するパサートの情報はこちらになります。
メーカー:フォルクスワーゲン
車種:SCパサート ヴァリアント
年式:
エンジン:BVY2000のFSI
ターボ:なし
馬力:110馬力
ミッション:オートマ
VWパサートのイグニッションコイル交換の費用見積もり
それでは、このパサートのイグニッションコイル交換の見積もりを出してみましょう。
オペーレーションシステムで、2リッターのFSIのイグニッションコイル交換の項目を選択して
出てきた工数が20タイム。
ナイルのレバレートが10,000円なので、このパサートのイグニッションコイル交換の工賃は、
1個換えたら2000円ということです。
じゃあ、1個2,000円なら、4つ替えたら8,000円なの?と思いますが、違います。
オペレーションシステムで、このパサートのイグニッションコイルを4つ全部替えた場合は、40タイムと出てきました。
ナイルでこのパサートのイグニッションコイルを4本替えたら、
工賃は4,000円になるということです。
「工数×作業数=工賃○円」という計算方法ではないのです。
イグニッションコイル交換と同時にプラグ交換もする場合の見積もり
オペレーションシステムで、このパサートのスパークプラグを1個換えた時の工数は30タイムと出ました。
ナイルのレバレートは10,000円なのでプラグ交換は1個3,000円です。
イグニッションコイル交換は1個2,000円でしたから、イグニッションコイルとプラグをそれぞれ1個ずつ交換した場合は、合わせて5,000円か?というと、やはりこれも違います。
それぞれの作業を別々で計算して単純に足すわけではなく、イグニッションコイル交換とプラグ交換の両方をやった場合の工数というものを出します。
このパサートの、イグニッションコイルとプラグ交換(全交換)は70タイムと出てきました。
ナイルの場合、このパサートのイグニッションコイル交換とプラグ交換は、
工賃が7,000円ということです。
VWパサートのウォーターポンプ交換の費用見積もり
引き続きナイルスタッフのパサートで、ウォーターポンプ交換の費用見積もりを出してみましょう。
このパサートのウォーターポンプ交換の工数は250タイムでした。工賃が2万5千円ということですね。
ウォーターポンプは、ただ単にポンプを外して換えるわけではなく、様々な部品を外しながら交換します。
ダンパーを外したりタイミングベルトを外したり、クーラントを出したり。
それらの作業が含まれているので、工数が250タイムになるのです。
ここでポイントなのが、ウォーターポンプ交換作業の工数の中に、タイミングベルトを外して、再度取付ける作業が含まれていると言うことです。
つまり、ウォーターポンプとタイミングベルトは、同じタイミングで交換すれば、工賃は2万五千円で済むのです。
工数は、車種や年式、仕様によって全く違う
これまでスタッフの愛車のパサートで工賃の見積もりをしていきましたが、同じパサートでも、年式や仕様などによって工賃は全く変わります。
例えばターボ車などは、工賃が他の車両の比ではないほど高くなります。
そのため、お客様からパッと聞かれても、すぐお見積もりが出せるわけではないのです。
逆に、見積もりをとるために必要な情報をパッと聞いても、すぐにはわからないお客様がほとんどです。
見積もりに必要な情報の多くは、車検証に記載されているため、ナイルでは、見積もり依頼のお客様に、車検証の画像やPDFデータをLINEしていただくようお願いしています。
工数は、見積書に書いてある
ディーラーさんやショップさんが出す見積書には、この工数が書かれています。
見積書の金額と工数をもとに、レバレートを割り出すことができます。
VWの修理費用・メンテナンス費用を抑えるためのナイルの努力
このように、車の修理や整備の料金は、メーカーが出した基準の工数を元にして決めています。
この工数は、基準の工数と、実際の作業時間が一致しないことは当然あります。
例えば100タイム(1時間)という工数の作業でも、1時間かからないことがあります。
整備士の技量や熟練度が高い場合や、車両の状態がいい場合など、理由は様々ですが、メーカーが出す基準よりも早く終わる場合があります。
もちろん、逆の場合もあります。1時間で終わる予定の作業が、ドツボにハマって、まる1日以上かかってしまうことだってあります。
ナイルの場合は、この基準の工数よりも時間がかかったからと言って、割増で工賃を請求することはありません。
VW整備の技術力や経験のレベルを上げる
ナイルの整備士は、同じ作業をやるのであれば、1分でも2分でも早くできるように日々努力や成長をするよう心がけています。
例えば、ビートルのタイミングベルト交換は、本来は2時間半〜3時間かかる作業ですが、
整備の技術力や経験値をアップすることで、よりスムーズに交換できるようになります。
VW・アウディの車を専門的に扱っているからこそ、ハイクオリティなだけではなく、時間ロスが少ないVW・Audi車両整備ができるのです。
ディーラーさん同等の品質で、ディーラーさんよりもリーズナブルな工賃というのがナイルのいいところです。