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27万km走行の乾式7速DSGクラッチ交換|ミッション脱着30分の作業工程とTVS施工【Golf7.5】

VW・Audiの整備・修理、車検から車両販売まで対応しています。

走行距離27万km。それでも、まだまだ乗り続けたい。

今回は、そんなオーナー様からご依頼いただいたフォルクスワーゲンGolf7.5のクラッチ交換をご紹介します。

今回の車両は27万kmを走行していますが、現在も比較的調子が良く、今後も長く乗り続けたいということで、クラッチ交換とTVS EngineeringのDrivabilityプログラム施工を同時に行うことになりました。

クラッチ交換にはトランスミッションの脱着が必要です。

そこで今回は、乾式7速DSGのミッションを実際に取り外しながら、作業の流れや注意点、そして慣れた整備士ならどのくらいの時間で脱着できるのかをご紹介します。

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27万km走行のGolf7.5にクラッチ交換とTVSを施工

今回入庫したのは、フォルクスワーゲンGolf7.5。

走行距離は約27万kmです。

一般的にはかなり走行距離が伸びている車両ですが、現在の調子は良好。オーナー様はこれからも乗り続けることを希望されています。

そこで今回は、乾式7速DSGのクラッチ交換と、TVS EngineeringのTCUプログラム施工を同時に行います。

TVSのDrivabilityは、DSGのシフトタイミングやクラッチ制御などを最適化し、日常走行での快適性向上を目指すプログラムです。

クラッチを交換するタイミングで制御側も見直すことで、今後も気持ちよく乗り続けられる状態を目指します。

乾式7速DSGのクラッチ交換にはミッション脱着が必要

乾式7速DSGのクラッチは、エンジンとトランスミッションの接続部分に取り付けられています。

そのため、クラッチを交換するにはトランスミッションを車両から取り外さなければなりません。

乾式DSGは、ミッションの脱着に関してはマニュアルトランスミッションと共通する部分が多い構造です。

また、今回の乾式DSGは、湿式DSGと異なりミッション脱着時に冷却水系統を切り離す作業がないため、その分作業を進めやすい特徴があります。

ただし、ミッション自体は重量があり、エンジンの支持や周辺部品との干渉にも注意が必要です。

ミッション脱着前の準備

今回の作業では、あらかじめ次の部品を取り外した状態からスタートしています。

  • バッテリー
  • バッテリートレイ
  • ドライブシャフト

これらを取り外すことで、ミッション周辺の作業スペースを確保します。

ミッション脱着のタイム計測は14時41分から開始しました。

スターターの配線と固定ボルトを取り外す

最初に作業するのはスターター周辺です。

スターターにはバッテリーから電源が供給されているため、バッテリーを切り離した状態で作業します。

まずスターターのコネクターを取り外し、黒いカバーの下にある電源ターミナルを外します。

今回の車両では13mmの工具を使用しています。

続いて、スターター付近のアースケーブルも取り外します。

スターター本体は18mmのボルト2本で固定されています。

上側のボルトを先に緩め、下側は周辺のブラケットを取り外してから作業します。

外したボルトは元の位置が分かるように管理

ミッション周辺には、同じ工具サイズでも長さの異なるボルトが使用されています。

そのため、外したボルトをまとめて置いてしまうと、組み付け時に間違える可能性があります。

ナイルでは、取り外したボルトを元の位置に仮付けしたり、取り付け場所ごとに分けたりして管理しています。

小さなことですが、確実な組み付けと作業効率の両方に関わるポイントです。

メカトロのコネクターとブラケットを取り外す

次に、ミッション側へ接続されている配線類を切り離します。

まずメカトロニクスの配線を固定しているブラケットを取り外します。

ブラケットを外すと、メカトロのコネクターへアクセスしやすくなります。

今回のコネクターは、ロック部分を上方向へ操作して取り外す構造です。

コネクターを手前に引きながらロックを解除すると、比較的スムーズに取り外せます。

無理に引っ張るとコネクターや配線を傷める可能性があるため、ロック機構を確認して作業します。

ペンデュラムサポートを取り外す

車両下側では、ミッションとペンデュラムサポートの接続部分を取り外します。

ペンデュラムサポートは、エンジン・トランスミッションの動きを支える部品です。

今回の作業では、16mmと21mmの工具を使用して固定部分を取り外しています。

サポートを取り外すことで、ミッションを降ろす際に必要な可動範囲を確保します。

ミッション固定ボルトを順番に外す

続いて、エンジンとミッションを接続している固定ボルトを取り外します。

今回の車両では、主に16mmと18mmのボルトが使用されています。

下側には16mmのボルトが3か所あり、そのほかにも18mmの固定ボルトが複数あります。

ここで重要なのが、すべてのボルトを一度に外さないことです。

ミッションを安全に支持できる状態になるまで、一部の固定ボルトを残しておきます。

今回も下側の16mmボルトを最後まで残し、ほかの固定ボルトを先に取り外しました。

また、作業中にはオイルレベルセンサーのコネクターも切り離しています。

配線やセンサー類を接続したままミッションを動かすと、破損につながるため注意が必要です。

シフトケーブルをミッションから切り離す

スターターを取り外したら、次にシフトケーブルを切り離します。

今回の車両では、シフトケーブルのブラケットがT30トルクス3か所で固定されています。

さらに、ケーブルとミッション側のシフト機構を接続している部分を10mmの工具で取り外します。

接続部分は上方向へ引き抜く構造になっており、固い場合には適切な工具を使用して慎重に取り外します。

これでシフト操作系統とミッションを切り離せます。

なお、乾式DSGでも仕様によってスターター奥の固定ボルトの有無などが異なります。

同じDQ200でも、車両ごとの構造を確認することが大切です。

エンジンハンガーでエンジンを支持する

ミッションマウントを取り外す前に、エンジンハンガーを設置します。

エンジンとミッションはマウントによって車体へ支持されているため、マウントを取り外す際には別の方法でエンジンを保持する必要があります。

今回の作業では、まずエアクリーナーボックスを取り外して作業スペースを確保しました。

エアクリーナーボックスは差し込み式の固定部分とホースバンドなどを外して取り出します。

その後、エンジン側の吊り下げポイントへフックを接続し、エンジンハンガーで支持します。

エンジンを確実に保持できたことを確認してから、ミッションマウントの取り外しへ進みます。

ミッションマウントの取り付け位置をマーキング

今回の車両では、ミッションマウントが2か所、ブラケットが16mmのボルト3か所で固定されています。

ここで注意したいのが、ブラケットの取り付け穴です。

この部分は長穴になっているため、取り付け位置に調整幅があります。

何も確認せずに取り外してしまうと、組み付け時に元の位置が分かりにくくなります。

そこでナイルでは、取り外す前にブラケットの位置をマーキングしています。

元の取り付け位置を記録しておくことで、組み付け時の位置合わせがしやすくなります。

なお、マーキングはあくまで復元時の目安です。最終的な組み付けでは、車両に指定された位置・締め付け条件を確認する必要があります。

GolfやPoloはミッションの位置を下げると抜きやすい

ミッションマウントとブラケットを取り外したら、ミッションの位置を調整します。

GolfやPoloなど比較的コンパクトな車両では、ミッションを少し下げた位置にすると、車体から抜き出しやすくなります。

今回もエンジンハンガーで支持した状態で、ミッションの位置を少し下げています。

このとき、周囲のホースや配線、車体側の部品に無理な力がかからないよう注意します。

ミッションを取り外すためのスペースを確保できたら、最後に残していた固定ボルトを外していきます。

フライホイールからミッションを切り離す

ミッションを適切に支持し、すべての固定ボルトを取り外したら、エンジン側からミッションを切り離します。

今回の作業では、ミッションを少しずつ動かしながらフライホイール側との接続を外しました。

このとき重要なのは、無理に引き抜かないことです。

ミッションを動かすと、車体のメンバーや周辺のホースなどに干渉することがあります。

今回も途中でメンバーとの干渉があったため、位置を調整しながら取り外しています。

フライホイールから完全に切り離せたら、ミッションをゆっくり下げながら手前へ移動します。

周辺部品との干渉を確認しながら慎重に降ろしていきます。

乾式7速DSGのミッション脱着にかかった時間は約30分

今回、ミッション脱着作業を開始したのは14時41分。

そしてミッションを降ろし終わったのが15時12分でした。

所要時間は約31分です。

ただし、この時間には事前に行ったバッテリーやドライブシャフトなどの取り外し作業は含まれていません。

ドライブシャフト関連の脱着には別途約30分かかるため、今回の作業者の場合、準備を含めたミッション取り外しの所要時間はおよそ1時間が目安になります。

もちろん、これは乾式DSGの脱着作業に慣れた整備士による実例です。

車両の状態や固着の有無、作業環境などによって時間は変わります。

作業効率を左右するのは段取り

今回の作業では、ミッションを降ろすまでの工程をできるだけ効率よく進めています。

特に意識しているのが、リフトの上げ下げを最小限にすることです。

上側で取り外せる部品と、下側で取り外す部品をあらかじめ把握しておけば、同じ場所を何度も行き来する必要がありません。

理想は、リフトの上下操作を1〜2回程度に抑えること。

そのためには、各部品の固定位置や工具サイズ、取り外す順番を把握しておく必要があります。

作業時間を短縮することだけが目的ではなく、無駄な動作を減らし、確実に作業を進めることが重要です。

ミッションを降ろしたあとはクラッチ交換とTVS施工

今回はミッションを降ろす工程までをご紹介しました。

このあとは、乾式7速DSGのクラッチ交換を行います。

さらにメカトロ内部のTCUプログラムを、TVS EngineeringのDrivabilityへ書き換えます。

Drivabilityは、DSGの変速タイミングやクラッチ制御などを最適化し、発進時や低速走行時の快適性向上を目指すプログラムです。

27万kmを走行していても、まだまだ調子の良いGolf7.5。

今回のクラッチ交換とTVS施工によって、今後も長く快適に乗り続けられる状態を目指します。

40万kmまで走れたら理想的ですが、実際の寿命は今後の使用状況や車両全体の状態にも左右されます。

Drivability

ノーマル車を中心に、DSGの乗りやすさを改善するプログラムです。

発進や低速域、シフトタイミングなどを最適化し、日常走行での快適性を高めます。

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まとめ|27万kmでも、まだまだGolf7.5に乗り続けるために

今回のGolf7.5では、走行距離27万kmのタイミングで乾式7速DSGのクラッチ交換とTVS施工をご依頼いただきました。

乾式DSGのクラッチ交換ではミッション脱着が必要ですが、今回の作業では事前準備を終えた状態から約31分でミッションを降ろしています。

作業のポイントは、スターターや配線類の切り離し、エンジンハンガーによる支持、マウント位置の記録、そして周辺部品に干渉させずミッションを抜き出すことです。

走行距離が伸びたからといって、必ずしも車を乗り換えなければならないわけではありません。

必要な部品を交換し、適切なメンテナンスを続けることで、長く乗り続けられる可能性があります。

ナイルプラスでは、乾式7速DSGのクラッチ交換やメカトロ修理、TVS Engineeringの施工についてご相談を承っています。

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