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折れたボルト・固着したボルトの外し方|スタッドボルトリムーバーやエキストラクターを実演紹介

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皆さんこんにちは!ナイルです。

今回は、固着して取れなくなったボルトや、途中で折れてしまったボルトを外す方法をご紹介します。

先ほど作業が完了したAudi 8V A3のクラッチ交換。

クラッチ交換自体も大変な作業でしたが、今回一番苦労したのが、まさかのスターターモーターを固定しているボルトでした。

ボルトが非常に固く、いろいろな方法を試しているうちに、最終的には途中で折れてしまいました。

折れただけならまだよかったのですが、ボルトの残りが部品側に残ってしまい、完全に取り除くまでに2日ほどかかりました。

今回は、その実例をもとに、

  • ネジ山が残っているボルト
  • ネジ山が潰れたボルト
  • 頭がなくなったボルト
  • 内部で完全に折れたボルト

を、それぞれどのような工具で外すのか、順番に解説します。

この記事はこちらのYouTubeの記事版です。
👉折れたボルトの外し方|固着・ナメ・折損を工具別に実演解説

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今回の固着ボルトは最終的にどうなった?

一番最初は、ボルトの頭が外れ、ネジ部分だけが飛び出している状態でした。

この段階で取れれば、比較的簡単です。

しかし、工具をかけても緩まず、ネジ山が潰れ、最後にはボルトが部品の中で折れた状態になりました。

ボルトは、状態が悪化するほど使用できる工具が限られていきます。

そのため、最初から強引な方法を選ぶのではなく、ボルトをなるべく傷めない方法から順番に試すことが重要です。

まずは浸透潤滑剤を使う

固着したボルトへいきなり大きな力をかける前に、まず試したいのが浸透系の潤滑剤です。

ネジ山の周囲へ吹き付け、できれば数時間から一晩ほど置いて、内部へ染み込ませます。

サビや固着が軽い場合は、これだけで緩みやすくなることがあります。

今回のAudi A3では、浸透潤滑剤を使ってもまったく動かなかったため、工具を使った取り外しへ進みました。

方法1|ダブルナットで外す

ボルトのネジ山がまだ正常に残っている場合、最初に試したいのが「ダブルナット」です。

特殊な工具を必要としない、比較的オーソドックスな方法です。

ダブルナットのやり方

外したいボルトの径に合うナットを2個用意します。

  • ボルトへナットを2個取り付ける
  • 2個のナットを互いに強く締め付ける
  • 内側のナットへレンチをかける
  • ボルトが緩む方向へ回す

2つのナットを固定することで、ナットと一緒にボルトを回せるようになります。

ダブルナットのメリットは、ボルトのネジ山をほとんど傷めないことです。

取り外したスタッドボルトを再使用したい場合にも向いています。

ただし、ネジ山が短い場合や、固着が非常に強い場合は使えません。

方法2|KTC スタッドボルトリムーバー

ダブルナットでも外れない場合は、スタッドボルトリムーバーを使用します。

今回紹介する一つ目の商品は、KTCのスタッドボルトリムーバーです。

KTCスタッドボルトリムーバーの特徴

工具の内部には、3個のローラーが組み込まれています。

ボルトへ工具を差し込み、緩める方向へ回すと、ローラーがネジ山へ食い込み、ボルトをつかむ仕組みです。

ボルト径に合ったサイズを選び、ラチェットやレンチを取り付けて回します。

今回の実演では、工具がネジ山へ噛み込むと、ボルトが少しずつ回り始めました。

KTCスタッドボルトリムーバーの注意点

この工具は、ローラーをボルトへ強く食い込ませます。

そのため、取り外したボルトのネジ山は傷みます。

再使用する予定のスタッドボルトには向きません。

あくまで、ボルトを新品交換する前提で使用する工具です。

方法3|TONE スタッドボルトリムーバー

ネジ山が潰れてしまい、KTCタイプのローラーが噛まなくなった場合は、別の形状のスタッドボルトリムーバーを使います。

次に紹介する商品は、TONEのスタッドボルトリムーバーです。

TONEスタッドボルトリムーバーの特徴

TONEの工具は、本体の可動部分でボルトを横から挟み込む構造になっています。

工具へラチェットを取り付けて回すと、回転方向に合わせてボルトへ強く食い込み、そのままボルトを回します。

ネジ山が潰れていても、つかめる長さが残っていれば使用できます。

TONEスタッドボルトリムーバーの弱点

工具本体が横方向へ大きく張り出すため、周囲に十分なスペースが必要です。

エンジンルームやミッション周辺など、部品が密集した場所では使用できないことがあります。

一方、周囲が広く開いている場所では、非常に強力な工具です。

方法4|ゴリラパワーグリップ

今回、固着したスターターボルトを外すために購入した工具の一つが、ゴリラパワーグリップです。

こちらもスタッドボルトリムーバーの一種ですが、先ほどのTONEとは異なる構造になっています。

ゴリラパワーグリップの仕組み

工具を緩める方向へ回すと、内部の径が徐々に狭くなり、ボルトを外側から締め付けます。

内部には焼き入れされた歯があり、ボルトの表面へ食い込むことで強く保持します。

使用方法は次のとおりです。

  • 工具をボルトへ差し込む
  • 緩める方向へ回して内部の歯を食い込ませる
  • 本体の大きなナットへ工具をかける
  • そのままボルトを緩める

実演では、歯がボルトへ食い込んだ状態で大きなナットを回すと、比較的簡単にボルトが動きました。

しゅう君:「すごい。簡単に回りました」

ゴリラパワーグリップのメリット

TONEタイプよりも工具の張り出しが少なく、比較的狭い場所でも使いやすいのが特徴です。

ネジ山が潰れているボルトでも、工具をかけられる長さが残っていれば対応できます。

ただし、こちらもボルト表面へ歯を食い込ませるため、取り外したボルトは再使用できません。

方法5|バイスプライヤー

今回の実演ではメインで使用しませんでしたが、飛び出しているボルトを外す方法として、バイスプライヤーもあります。

ボルトを強く挟み込み、そのまま緩める方向へ回します。

一般的な工具で、使用方法も分かりやすいのがメリットです。

ただし、

  • ボルトを確実につかめる長さが必要
  • 周囲に工具を回すスペースが必要
  • ボルト表面やネジ山が潰れる

という注意点があります。

こちらもボルト交換を前提とした方法です。

方法6|エキストラクターで折れたボルトを抜く

ボルトが部品の表面よりも奥で折れてしまうと、ダブルナットやスタッドボルトリムーバーは使えません。

今回のスターターボルトも、最終的にはこの絶望的な状態になりました。

そこで使用するのが、エキストラクターです。

今回は、HAZETやTONEのエキストラクターを紹介します。

エキストラクターとは?

エキストラクターは、折れたボルトの中心へ穴を開け、その穴へ専用工具を食い込ませて回す工具です。

今回使用したセットには、逆回転方向に切れるドリルも付属しています。

通常のドリルとは反対に、ボルトが緩む方向へ穴を開けていくのが特徴です。

穴開けの振動や逆回転によって、ドリル加工中にボルトが緩む場合もあります。

オートマチックポンチで中心を決める

エキストラクターを使う場合、最初の穴をボルトの中心へ正確に開ける必要があります。

中心がずれると、

  • 元のネジ山を傷付ける
  • ボルトの横へドリルが逃げる
  • 部品本体を削ってしまう

可能性があります。

そこで使用するのがオートマチックポンチです。

ボルト中央へポンチを当てて押し込み、ドリルの先端が逃げないよう小さなくぼみを作ります。

逆回転ドリルで少しずつ穴を広げる

ポンチで中心を決めたら、小さい径のドリルから穴を開けます。

最初から太いドリルを使うのではなく、少しずつ径を大きくしていきます。

ボルトの直径や使用するエキストラクターに合わせて、必要な大きさまで穴を広げます。

この工程で穴が斜めに入ると、元の雌ネジを傷めるため、慎重な作業が必要です。

エキストラクターをタップレンチで回す

必要な深さまで穴が開いたら、穴の大きさに合うエキストラクターを差し込みます。

エキストラクターには、緩める方向へ回すほどボルト内部へ食い込む形状が付いています。

タップレンチを取り付け、ゆっくりと緩める方向へ回します。

今回のAudi A3では、大きめのエキストラクターを使用して、部品内部に残ったスターターボルトを取り出しました。

エキストラクター作業の注意点

エキストラクターは、折れたボルトを外すための非常に有効な工具ですが、失敗すると状況がさらに悪化します。

特に注意したいのが、エキストラクター自体の折損です。

エキストラクターは硬い材質で作られているため、内部で折れると通常のドリルでは削りにくく、摘出がさらに難しくなります。

使用時は、

  • ボルトの中心へ正確に穴を開ける
  • 適切なサイズを選ぶ
  • 無理な力をかけない
  • 一気に回さず少しずつ動かす

ことが大切です。

DIYで難しいと感じた場合は、途中で無理をせず専門店へ相談してください。

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ボルトの状態ごとに使う工具を選ぶ

固着ボルトは、状態によって適した外し方が異なります。

ネジ山が正常に残っている

  • 浸透潤滑剤
  • ダブルナット

まずは、ボルトを傷めない方法から試します。

ネジ山が残っているが固着が強い

  • KTCスタッドボルトリムーバー

ローラーをネジ山へ食い込ませて外します。

ネジ山が潰れている

  • TONEスタッドボルトリムーバー
  • ゴリラパワーグリップ
  • バイスプライヤー

ボルトを外側から強くつかんで回します。

部品内部で完全に折れている

  • オートマチックポンチ
  • 逆回転ドリル
  • HAZET・TONEなどのエキストラクター
  • タップレンチ

ボルトへ穴を開け、内部から食い込ませて取り外します。

商品紹介|今回使用した工具

KTC スタッドボルトリムーバー

内部の3個のローラーで、ボルトのネジ山をつかむ工具です。

ネジ山が残っているスタッドボルトに向いています。

サイズごとに対応するボルト径が異なるため、対象ボルトに合うものを選ぶ必要があります。

ボルトの再使用には向きません。

TONE スタッドボルトリムーバー

ボルトを横から強く挟み込み、回転に合わせて食い込むタイプです。

ネジ山が潰れたボルトにも使用できます。

保持力は強いものの、本体が横へ張り出すため、作業スペースが必要です。

ゴリラパワーグリップ

内部の焼き入れされた歯で、ボルトを周囲から締め付ける工具です。

工具自体の張り出しが比較的少なく、狭い場所でも使いやすいのが特徴です。

ボルト表面には強く傷が付くため、交換前提で使用します。

HAZET・TONE エキストラクター

折れて外からつかめなくなったボルトへ使用します。

ボルトに下穴を開け、内部へエキストラクターを食い込ませて外します。

完全に折れたボルトへ対応できる一方、穴開けの精度や力加減が必要な、難易度の高い工具です。

オートマチックポンチ

ドリルで穴を開ける前に、ボルトの中心へくぼみを付ける工具です。

正確な穴開けを行うための重要な道具です。

タップレンチ

エキストラクターやタップを保持して、手作業で回す工具です。

左右均等に力をかけやすく、エキストラクターを慎重に回せます。

バイスプライヤー

対象物を強く挟み込み、ロックしたまま保持できる工具です。

ボルトがある程度飛び出している場合に使えます。

汎用性は高いですが、ボルトを傷めるため再使用には向きません。

最初から強引に外さないことが大切

固着したボルトを見つけると、長い工具やインパクトレンチを使って、一気に緩めたくなるかもしれません。

しかし、強い力を急にかけると、

  • ボルトの頭がなめる
  • ネジ山が潰れる
  • ボルトが途中で折れる
  • 部品側のネジ山を傷める

可能性があります。

今回のように、折れたボルトの摘出に2日かかることもあります。

まずは浸透潤滑剤を使い、ネジ山を残したまま外せる方法から順番に試すことが重要です。

まとめ

今回は、Audi 8V A3のクラッチ交換中に発生した、スターターボルトの固着・折損をもとに、ボルトの外し方をご紹介しました。

使用した主な方法と工具は、

  • 浸透潤滑剤
  • ダブルナット
  • KTCスタッドボルトリムーバー
  • TONEスタッドボルトリムーバー
  • ゴリラパワーグリップ
  • バイスプライヤー
  • HAZET・TONEエキストラクター
  • オートマチックポンチ
  • 逆回転ドリル
  • タップレンチ

です。

折れたボルトを外す方法は一つではありません。

ボルトがどのような状態なのかを確認し、できるだけ傷みの少ない方法から順番に試します。

ただし、部品内部で折れたボルトの摘出は難易度が高く、失敗すると修理範囲が広がる可能性があります。

ナイルプラス・Deemarkでも固着ボルトや折損ボルトの摘出に対応していますので、ご自身で外すのが難しい場合は、無理をせずご相談ください。