みなさんこんにちは。ナイルの平田です!
今車検で入庫中の6Rポロのお客様。
走っていると、ハンドルが右に傾き、ハンドルをまっすぐにしていると、車が左に流れていく。という問題があるそうです。
ハンドル流れとハンドルセンターのずれの違い
この6Rポロには、「ハンドルの左流れ」という問題がよく起こるのですが、今回のお客様の6Rポロの場合、ハンドル流れとは全く別の問題でした。
ハンドル流れとは
直進中にハンドルから手を離すと、ハンドルが勝手に右または左へもっていかれることを言います。
ハンドル流れの原因はいくつもありますが、主な原因としてはアライメントの崩れや、サスペンション・ステアリング系の不良などがあります。
また、日本の車道は、排水のためにわずかに左側に傾斜がついているので、どうしても左流れしやすい環境にあります。さらにフォルクスワーゲンなどの右側通行の国の輸入車は、国産車以上に左流れしやすい環境なのです。
ハンドルセンターのずれとは
直進している状態で、ハンドルが傾いているものをいいます。
車に乗っているうちに、サブフレームが動いてしまったり、タイヤの溝が摩耗してしまったりするのが原因です。
今回はあくまでもハンドルが斜めになっている状態(ハンドルセンターのずれ)の場合にセンターに戻す方法なので、ハンドル流れとは別問題だとご承知おきください。
いずれにしても一番の対策方法はアライメント調整をすることです。
ナイルは通常業者さんにトーやキャンバー角をテストしてもらうんですが、
今回は、お客様の了承を得て、別の方法で修理していきます。
ハンドルを引っこ抜いてセンターにする?
時々、「ハンドルの位置がおかしい場合、ハンドルを引っこ抜いて正しい位置に戻せばまっすぐになるのでは?」
と言うお客様がいらっしゃいますが、そうした場合、ABSセンサーや切れ角が変わってしまいます。
例えば、車のハンドルを左に目いっぱい切った場合、ハンドルが二回転半したとします。
右に切っても同様です。
これを、ハンドルを抜いて差し替えてしまうと、左右で回転の角度に偏りが出ますね。
近年の車は、センサーをたくさん使っています。
ステアリングアングルセンザーというものがエアバッグの裏側にあるのですが、その数値も変わってきてしまいます。
ハンドルのセンターは、必ずマークが打ってある位置に合わせます
試運転してハンドルの位置を確認
試運転して、ハンドルがセンターの時にまっすぐ走れるかどうかを確かめてみようと思います。
直進してみると、直進時にハンドルが少し右に傾いています。
この状態で手を放してみて流れていくようだと、アライメントをきちんとしなければいけませんが、今回の6Rポロはハンドルが流れている状態ではないので、ハンドルが右にズレている状態を直していきましょう。
ハンドルがセンターなのに、前輪が正面を向いていない
ハンドルがセンターの時に、前輪も同じく正面を向いているのが、直進時の理想です。
現状は、まっすぐ走っているのに、ハンドルが右に傾いているという状況なので、
ハンドルを正面にすると、前輪が左を向く状態になっています。
これを、正しい状態にするためにどうするかと言ったら、タイヤの向きを右側に戻せばいいのです。
タイヤの向きを正すために、タイロッドを正します。
タイロッド調整
ひとまずタイロッドのネジ山を90度ずつ調整していきましょう。
右側のタイロッドを縮める
ナットを緩めた状態で、六角レンチで90度回して縮めます。
左側のタイロッドを伸ばす
同じくナットを緩めて、六角で90度回して伸ばします。
再度の試運転
先ほどと同じ道路で試運転して、ハンドルの位置を確認します。
ハンドル位置がまっすぐになりました。
タイロッドを調整→試運転を繰り返してハンドルセンター出し
タイロッドの調整と試運転を、ハンドルの位置がまっすぐになるまで繰り返します。
タイロッドを調整するときは、左右は同じ量ずつ動かさないと、サイドスリップが変わってしまいます。
アライメントがきちんと取れている前提で、左右の位置を全く同じ量動かしてハンドルのセンターを調整します。